社会参加は高齢者の健康的な生活につながる
高齢者に限らず、社会の一員としての役割を担うことは、生きがいや自己実現と深く関わっています。社会とのつながりというと、仕事や学校などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。そう考えると、高齢者になればリタイアし、社会とのちながりを持ち続けることが難しくなることは想像に難くありません。しかし、リタイア後も社会とのつながりを持ち続けられるのであれば、高齢者もいきいきと暮らせるのではないでしょうか。こうした側面から、高齢者の社会参加の重要性が知られるようになってきました。社会から隔絶された生活ではなく、無理のない範囲でボランティア活動や就労といった社会参加の機会を持つことで、高齢者にとって体力面だけでなく精神面でも良い効果が得られると考えられているのです。
社会参加の促進によって、健康寿命を延ばすことにもつながり、さらには介護予防にもつながると期待されています。社会全体で高齢者が占める割合が大きくなっていくことは明白であり、どれだけ健康に暮らし続けられるかが注目されています。介護に携わる人手が不足している中で、高齢者の健康寿命が延び、介護の必要な人が減ることは大きなメリットとなるでしょう。また、高齢者が健康にいきいきと生活できるよう、社会参加の重要性とともに、社会全体が高齢者の社会参加を温かく受け入れる必要があります。高齢者自身も、リタイア後にどのように過ごしていくのか、社会との関わりを持ち、さらなる生きがいを持てるよう、リタイア前にイメージしておくことも大切でしょう。